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Channel: §ぼちぼち日記§
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41、「東屋」・・(四)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
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・浮舟の母君・常陸の介の北の方は長年の身の上話を中の君に語った。
北の方の言う通り、浮舟にはいい結婚をしてほしい、と中の君は思った。
 
そして、浮舟を見た。
娘は顔立ちも気立てもよく、憎めないかわいい感じである。
 
気も利くらしい。
何かものを言う時、亡き大君によく似ている。
 
薫に見せたい!と中の君が思ったおりに、
丁度、薫の来訪があった。
 
北の方は胸をはずませた。
先払いの声のひびく中、ゆっくりと貴公子が入ってくる。
 
(なんてすばらしい!)北の方は見とれる。
御簾の内からであるので、こちらの姿は薫からは見えない。
 
けれど、なんとなく恥ずかしい。
 
 
・・・・・・・
 
 
・薫は匂宮の母后の体調がよくないと聞いて参内したところ、
宮たちがお側におられなくて、宮の代わりに今までお側にいたこと、
今朝、宮が参内されたので、中の君を訪ねてきたのであった。
 
中の君は薫に浮舟のことをほのめかした。
薫は浮舟に関心があったが、急にその気にもなれない、
 
中の君と薫のやりとりを垣間見た北の方は、
(まあ!ご立派なこと)と思った。
 
中の君は薫の意向を北の方に伝えた。
 
「薫さまはいったん思いこまれたら変えたりなさらないお方。
今は内親王さまがご降嫁になったばかりですけど、
薫さまに思いきってご運をお任せになったらどうでしょう?」
 
「ほんとうにそうでございますねえ」
北の方は深くうなづいた。
 
 
・・・・・・・
 
 
・夜が明けると常陸の介の邸から迎えの車がやってきた。
北の方はとりあえず帰ることにした。中の君に浮舟のことをくれぐれも頼んで出た。
 
娘の浮舟も母と別れるのは初めてで心細く不安であったが、
この邸の空気にひたれると思うと若い娘らしく胸が踊った。
 
北の方がお邸を出るころ、空は明るんできた。
そこへ内裏から匂宮が退出されてきた。
 
ばったりと北の方の車と宮の車は出会わせてしまった。
「誰の車だ?」
 
北の方の供人が「常陸殿が退出されます」と言ったので、
宮の供人はこぞって吹きだした。
 
軽侮の声が上がるのを北の方は悲しい気持ちで聞いた。
北の方はぐっとこらえた。娘のためであった。
 
浮舟の将来を思えばこそ、
いつしか薫の側に添い立つ浮舟を想像した。
 
宮は部屋に入るなり、常陸殿とはもしや薫ではないのか?
と嫉妬の妄想を抱かれた。
 
中の君は聞き苦しくて、
「あの女(ひと)は若かった時分の友達です・・」と答えた。
 
 
 
 
 
 
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・薫の性格がよくわかる場面です。
 
最初は宇治の山里に住む八の宮の人となりに魅かれて、
ただひたすら仏道修行に専念するはずでしたが、
八の宮邸の姉妹の姫君に会ってからはいつしか宮の教えを乞うというよりも、
姉妹の姉の大君に恋心を抱いてしまって、
宇治行きの目的が大きくそれてしまいました。
 
大君も父亡きあと、後ろ盾のない身がいかに心細いものであるかを知って、
薫の自分への思いを断ちきって、
妹を薫に添わせて自分は妹の後見人になろうと画策します。
 
が、気持ちがなえてしまって重い病にかかって亡くなってしまいました。
薫は薫で自分が大君と一緒になるためには妹の中の君を、
小さいころからの親友・匂宮にめあわせました。
 
この二人ははうまく運んで、宮は二條院へ中の君を引き取りました。
薫の心は大君亡きあと、妹の中の君へと移っていきました。
 
思い込んだら一直線の薫の気持ちを今はどうかして、
浮舟に向かわせようと中の君は考えるのですが、匂宮がまたまた~~
 
浮気な男も困りものですが、薫のような男も。
いろんな男たち、女たちが最高のめぐり合わせができるとよいのですが。
 
 
 
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・記事に「ナイス」をありがとうございました。  6月19日

道の駅「播磨いちのみや」

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・梅雨入り宣言後以来、真夏を思わせる連日の猛暑がやっとおさまって、
今朝は黒い雲が重く垂れこめて今にも落ちてきそうな空です。
 
 
先日の17日(月曜日)、3月7日以来の県北への水汲みに行ってきました。
妹とおっちゃんの車2台で出発しました。
 
国道29号線を北上して、道の駅「播磨いちのみや」をすぎて、
数分も車を走らせると三叉路にでます。
 
左折すると鳥取へ向かう29号線ですが、
29号線を捨てて直進しますと、宍粟市一宮町の一番奥まったところに、
湧水「千年水」があります。
 
 
 
 
千年水
 
 
 
 
 
・朝、出がけにデジカメをチェックしましたら、完全に電池切れ~~
なので、カメラの出番がなくて、ネットよりお借りした「千年水」です。
 
冬枯れの様子ですが、この日は緑がいっぱいで、
若葉たちも完全に色を濃くして緑の風と緑の木陰をtいっぱい作っていました。
 
清流にはカジカガエルたちがまるで小鳥がさえずるような美声で
大合唱をしていました。
 
(開いてみてください!鳴き声、姿も見られます)
 
 
鹿の鳴き声は知らないのですが、似ていることから河鹿蛙と書くそうです。
ほんとにうるさいほどたくさんの鳴き声が絶えることなく、
異空間に浸って多くの水汲み人の済むのを待ちました。
 
ネットや口コミで今では大盛況のようです。
1時間余は待ったでしょうか?
 
相当な山間部にあるので、トイレはありません。
なので、水汲み後はいっせいに山を下って、道の駅「播磨いちのみや」目指します。
 
 
 
 
 
 
 
 
(ネットよりお借りしました。赤丸が道の駅です)
 
 
・トイレ休憩と、こちらのレストハウスでお昼をとるのが恒例になっています。
前回は改装中で4月に新装オープンとなっていましたので、
楽しみにして寄ったのでした。
 
 
中身はそんなに変っているようには思えません。
スタッフが若返ったかな?という程度でした。
 
しかし、お昼のメニューが以前に比べると激減しています。
妹は「出ましょう。別のところへ行きましょう」と席を立ちかけたのですが、
遅くなったし(待ち時間があったので)ここですませば、となりました。
 
妹とおっちゃんは「親子丼」
わたしは「梅とじゃこ入り和風パスタ」をオーダーしました。
 
 
・・・・・・・
 
 
・写真がないのが残念ですが、以下は愚痴でもワルクチでもありません。
事実をそのまま素直にリポートいたします。
 
まず、妹とおっちゃんの「親子丼」、お箸で食べられないのです。
つゆだくすぎて、スプーンをお願いしました。
 
ひと口食べた妹。
「私の失敗作よりひどい味!玉子はかたまってしまっているし!
親子丼に椎茸、人参が入ってるなんて、それに丼をスプーンで食べるとは・・」
 
おっちゃんは「いやいや、丼と思うから腹も立つ。汁かけ飯と思たらよろし!」
 
わたしのパスタのお味もはじめて食する味。
梅肉とじゃこがオリーブオイルにからまって美味しいのか?そうでないのか?
実に迷献立であったのです。
 
パスタの添え物のサラダのブロッコリーが生のまま。
キュウリは生でもいいけど、青色ばかりなのでトマトなどを添えて彩りを足せばと思います。
 
以前は、何を食べても家では食べられないそれなりのプロのお料理でした・・
きっと、経営者が変ったのでしょう。
 
道の駅「播磨いちのみや」のスタッフの方の目に止まれば嬉しいですが、
もし、立ち寄られることがあるようでしたら、心構えをなさってと言いたいです。
 
 
 
 
 
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41、「東屋」・・(五)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
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・夕方、中の君は髪を洗わせていた。
女房たちも休息をとって、お居間には誰もいない。
 
女房の大輔が、
「この月は御ぐし洗いの吉日がございません。
九月、十月は忌み月ですから、今日なさることになりました」
と、匂宮に伝える。
 
若君もお休みになっている。
宮は所在なさげにあちこち足を向けられた。
 
西の方の部屋に見慣れない女童(めのわらわ)が見えたので、
近づいてそっとおのぞきになった。
 
ふすまの向こうに屏風が立ててある。
その端に几帳をたてかけてあり、その几帳のかたびらが一枚横木に掛けてある。
 
すき間から紫苑色のうちぎに女郎花とおぼしい袖口が見えた。
女がいるのか?新参の女房か?
 
宮はふすまを押しあけられて屏風の端からのぞかれる。
その気配に浮舟は、中の君付きの女房かしら?と身を起こした。
 
その姿はまことに美しい。
あら!と扇で顔をかくしてふり向いた女の姿はとても美しかった。
 
 
・・・・・・・
 
 
・宮はつかつかと近づいて扇を持たせたその手を捉えられて、
「あなたは誰だ?」
 
浮舟は突然のことにすっかりおびえてしまった。
宮は屏風に身を寄せてお顔を隠していられる。
 
浮舟も「あなたもどなたでしょう・・?」
浮舟の乳母がやってきた。
 
この状況を見て乳母は叫びたてた。
乳母の制止などで引き下がられる宮ではない。
 
もとより、この邸のあるじ、
遠慮なさるはずなどなく巧みにお言葉を連ねられる。
 
乳母はその物なれた風に(宮さまなのだわ・・)
と呆然としてしまった。
 
そのうち、日が暮れて灯がともされる。
 
 
・・・・・・・
 
 
・中の君の髪洗いが終わり、この部屋以外の格子がすべて下ろされる。
浮舟のいる部屋は離れていて物置き風な雑然とした所。
 
そこへ女房の一人がやってきた。
右近といって中の君に仕えている。
 
宮は、少々困った、と思われる。
それより困っているのは浮舟の乳母。
 
彼女は遠慮もなく気の強い女なので右近に助けを求めた。
右近は香をたきしめた男が浮舟の側に臥しているのを見た。
 
(あ!例の宮さまの悪いお癖が出た・・とても浮舟さま同意の上とは思えない)
誰もが体裁が悪いことになったと思っている。
 
宮お一人はびくともなさらない。
謎の美女に夢中になっていられるが、浮舟は途方にくれて困り切っていた。
 
 
 
 
 
 
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・平安の王朝時代の貴族の女性は十二単に長い髪でしたが、
髪洗い、すなわちシャンプー剤もシャワーもない時代どのように髪を洗ったのでしょう?
 
(当時のヘアケアについてネットよりの情報です)
 
平安時代のヘアケアは、まず「ゆする」と呼ばれる米のとぎ汁、
あるいは糠を湯に溶いたもので髪全体を濡らし、櫛でとかします。
このとき、髪を洗うための杯(ゆするつき)という入れ物を使用します。
次に「澡豆(そうず)」と呼ばれる小豆粉を炒ったもの(たいへん芳ばしい香りがします)
を髪全体につけ、湯で洗い落とすように櫛でとかします。
洗い終えたら、髪を乾かしながら香(こう)を焚いて、髪に香りを移します。
 

こうして洗い上げた髪は、糠には油脂分が含まれていますので、
現代のサラサラとは違って、かなりしっとりとしたツヤやかな感じに仕上がります。
整髪料としては「髪油(かみあぶら)」と呼ばれるツヤと栄養を与える植物性のものが用いられます。
サネカズラの茎を細かく刻み、その粘液に水を加えて用いました。
ちなみに、洗髪の頻度は1ヶ月に一度という説から
1年に一度程度という説まで諸説があって、はっきりしていません。
 
 
上記のようですが、忌み月もあったりして、
髪を洗うことも一大行事だったようです。
 
 
・それにしても、浮舟の母君・北の方と中の君の計画、
浮舟と薫をめあわせようとする前に、浮舟の存在を匂宮に知られてしまい、
源氏の血をうけつぐ、まさにまったなし!の宮に浮舟は~~
 
源氏が須磨・明石にさすらった時に知り合った明石の上。
明石の上と源氏の間に生まれたのが、宮の生母・明石中宮ですから。
 
どうなるのでしょうか?
 
 
 
 
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・記事に「ナイス」をありがとうございます。  6月22日

西郷頼母

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・3日間、大雨が降り続きましたが、今朝は青空です。
雨の日は外へも出たくないもの。
 
何をしていたか?といいますと気になっていたことを調べていました。
幕末の時代の流れはいつも薩長側から書かれたものばかりに接していたわたしです。
 
今年の大河ドラマ『八重の桜』が始まった時、
友人と話をする機会があり、彼女の言うには会津の西郷頼母からは目が離せない!
 
恥ずかしながらわたしは幕末の西郷といえば、
薩摩の西郷隆盛しか知らなかったのです。
 
どういう人物だったのか?どうかして知りたいと思ったのです。
 
 
 
 
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梅雨の花、アジサイがほころび始めました。
 
 
 
 
・それに会津といえば「白虎隊」が有名ですよね。
「白虎」だけを見ると、わたしは高松塚古墳の壁画を思い出します。
 
古代の中国の思想で四神をあらわし、方向と季節もあらわすそうです。
これもはじめて知りました。
 
★青龍~~方位は東、季節は春(青春)
★白虎~~方位は西、季節は秋(白秋)
★朱雀~~方位は南、季節は夏(朱夏)
★玄武~~方位は北、季節は冬(玄冬)
 
 
・戊辰戦争後、会津では攻めて来る討幕軍に立ち向かうため隊を作りました。
 
18歳~35歳を朱雀隊
36歳~49歳を青龍隊
50歳以上を玄武隊
16、7歳の少年を白虎隊と名付けたのですね。
 
 
 
・・・・・・・
 
 
・西郷頼母(たのも)は会津藩の家老でした。
ドラマでは西田敏行さんが好演しておられます。
 
都の警護に幕府から京都守護職を命じられた会津の城主・松平容保(かたもり)、
この時も頼母は強硬に反対しました。
 
遠い京都まで行くのは反対である。
藩の財政も厳しいおりがら・・しかし、頼母の願いは聞き入れられず、
容保は一軍をひきつれて上洛。
 
やがて討幕運動が強まり、薩長に追われるように大坂から江戸へ
慶喜とともに逃げ帰り、慶喜とも別れて会津へ帰った容保。
 
この時も、頼母は討幕軍と戦っても勝ち目はないのを見越して、
和睦か講和を申し入れるように容保に進言するも聞き入れられず、
会津が城下ごと戦乱に巻き込まれる結果に。
 
城下の者たちは会津の城に籠城を決め込み、
老若男女続々と城に入って行ったのですが、
頼母の妻子や身内の女性は入城せず自宅で自刃したのです・・
 
頼母の妻を宮崎美子さんが好演されていますね。
城へ入ることは口を持っていくことになります。
 
やがて食糧が尽きて城内も負け戦で惨憺たるありさまに。
もちろん、頼母はたった一人の息子、まだ12歳の少年を伴って籠城していました。
 
やがて、命からがら城を脱出して北へ逃げた一行の中に
頼母親子もいたのです。
 
時代が明治に移り、この親子はどこをどうさすらったのか、
資料が不足で詳細は不明らしいですが、
伊豆で塾の講師をしている時に息子を22歳で死なせてしまった頼母・・
 
生きる意欲を失ってしまったと思われますが、
晩年は妻子の眠る会津の城下にもどったのです。
 
 
 
 
Saigō Tanomo.jpg
 
 
 
・晩年の写真が残っています。(ウィキペディアより)
(1830~1903)ですから72か73歳まで長寿を全うしています。
 
人の一生はそれぞれですが、幕末の動乱期に生きた一人の男性。
西郷頼母・・最後は妻子と一緒のお墓に入りたかったのでしょうか?
 
奥さまの名前は千重子といいます。
容保が頼母の申し出を聞きいれていたなら~~
友人の気持ちが理解できました!
 
 
 
 
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42、「東屋」・・(六)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
 
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・女房の右近は中の君のもとへ行き、このことを告げた。
中の君はつくづく情けなく、浮舟がどんなに惑乱しているだろうと思った。
 
といって、どう処置していいものやら~~?
(でも、どうして浮舟のいることをお知りになったのか?)
 
右近と二人で胸を痛めていると内裏から使者が参上し、
后の宮が胸の痛みで苦しんでいられると知らせてきた。
 
右近はこれ幸いといさんで宮のもとに参って申し上げる。
宮は動かれそうもない。
 
右近はお使者を宮のもとに呼びつけ、
直接口上を述べさせる。
 
宮はやっと母后のことが気になり、
浮舟のことはあきらめられた。
 
 
・・・・・・・
 
 
・浮舟は恐ろしい夢からさめた心地して、この先どうなることやら~~
乳母もつい愚痴が出る。
 
「母君さまがお戻りになられた邸では、今日も烈しい言い争いがあったそうです。
北の方はあなたさまばかりを世話して、自分の子のことをほっておくのか、
とお叱りになられたそうな・・
すべて、あの少将がもめごとの起こりでございます」
 
浮舟は浮舟でしくしくと泣いていた。
(このことをお姉さまが知られたら、どう思われるでしょう?)
 
中の君は異母妹の浮舟がかわいそうでたまらなかったが、
そのことは聞かなかったことにして浮舟に言いやった。
 
「宮の母君・后の宮がお具合がお悪いそうで、今夜はお帰りになりますまい。
あなた、こちらへいらっしゃらない?」
 
乳母を通して具合が悪いから伺えないと返事をしてきた。
 
(やはりきまり悪がっているようね)
中の君は女房たちにまで知られてしまった異母妹を気の毒に思った。
 
浮舟に責任のない不祥事とはいえ、
うわさはどのように広まるか?
 
二人の間に結局は何もなかったとはいうものの、
浮舟の名にキズがつくのではないか・・
 
 
・・・・・・・
 
 
・そうこうしているうちに乳母が中の君の前に浮舟を連れてきた。
浮舟を引き立てて中の君の前に押しやった。
 
浮舟はぼぅ~~っとしている。
女房たちの視線が恥ずかしく、どうしていいかわからない。
 
中の君はやさしく話しかける。
 
「よその家は気づまりだと思ったりしないで下さい。
お姉さまによく似ていらっしゃるあなたに会ってしみじみとなつかしい。
気にかけてくれる身内もないわたくし・・
あなたが亡きお姉さまと同じようにわたくしに親しんで下さったら
どんなに嬉しいでしょう!」
 
浮舟ははにかんでしまい、
それに田舎育ちの身には気の利いた返事もできないでいた。
 
それでも姉妹は話し合って、夜明けになって寝た。
中の君は浮舟に亡き父宮の思い出を話した。
 
こちらでは女房たちのひそひそ話が続いていた。
昨夜の宮と浮舟の事件は邸内に広がっていた。
 
「宮さまのお手がついては、御方さまがお気の毒ね!」
などと話しあっていた
 
 
 
 
 
 
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中の君にとって浮舟は異母妹であるので、
宮とのうわさが立てば、住まいを世話した自分までが責任を感じて、
かわいそうなことをした、と悔やんでいるのはさすがに義理ながらも姉。
 
これが姉妹でない第三者であれば、気持ちもまた違ったはず。
昔も今も男女間のうわさ話は面白いもののようです。
 
ただし、その中に自分が登場しないことが条件なのですが・・
浮舟もはじめてのことで母君とはじめて別れた夜の出来事なので、
おそらく面喰ったことと思われます。
 
義理の姉・中の君がおっとりとしてやさしい性格だったので、
本当によかったと思いますが、
女房たちの口に戸は立てられないのでこれからが大変です。
 
声高に否定すれば、どこか怪しい!と勘ぐられるし、
黙っていると、やっぱりそうだった、と思われるし、
ちょっかいをかけた匂宮が一番悪いのですが、いつの世も女性が損をみる?
 
がんばれ、浮舟
 
 
 
 
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・
 
・記事に「ナイス」をありがとうございました。  6月25日

元気うちわ

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・大雨のあと、猛暑が去って今朝の室内温度は25℃。
しかし湿度は75%あってムシムシしています。
 
梅雨空が広がっていますが、
10日ほど前にのようなうちわが配られてきました。
 
 
 
 
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・大震災のあった東北をささやかながら支えましょう!
ということで、これはうちわの上部です。
 
正岡子規の歌と共に東北と共に心を一つに、と記してあります。
このうちわの裏側は真っ白なのです。
 
ここに思い思いの絵手紙やちぎり絵、書などを描いてくださいとのことでした。
提出締切日は先日の日曜日です・・
 
絵や書にはもっとも無調法なわたし。
ついつい先延ばししていましたら期日は目前にせまっています!
 
子供が使っていたクレヨンを探し出し(何年前のもの?)
使えるのか?そうでないのか?
 
さっと、絵や書が描ける人がうらやましい~~
 
土曜日の夜、一夜漬け覚悟で何度も何度も下絵を描いては破ってをくり返し、
最後はもう「トイレの火事」状態で仕上げました。
 
日曜日の朝、きっちりと包装紙に包んで提出してきました
被災地のどの地域に届くのでしょうか?
 
ゆくえも知らぬうちわの道ですが、どうかめぐりあえた方、
がっかりなさらないで、関西のおばさんがない絵心を懸命に出し切って描きましたので、
どうぞ、暑い夏に愛用してくだされば大変嬉しいです。
 
 
どど~んとここにわたしの描いたうちわ絵登場できればいいのですが・・
ごめんなさい。
 
この東日本大震災が起きた夏、節電が求められ、
わたしたちも心から電気を大切にしようと思ったものでした。
 
ついつい、エアコンや扇風機に頼りがちですが、
うちわのそよ風はほんとにやさしいです!
 
わたしの下手な絵が描かれたうちわが東北のどこかの誰かの手に渡って、
この夏、いっときの涼風を送ってくれるといいなあ!と思います。
 
 
 
 
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43、「東屋」・・(七)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
 
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・浮舟の乳母は常陸邸へ帰っていった。
昨夜の事件の報告のためである。
 
母君の北の方は胸がつぶれるほど驚いた。
中の君の嫉妬は~~?嫉妬というもの身分の高低を問わないものだから。
 
じっとしていられず、夕方二條院へ参上した。
匂宮は不在だったので気兼ねなく中の君に会った。
 
「また参りました。
頼りない子をお手もとにお預けして安心と思いながらも、
また心もとなくなりまして・・」
 
「ご心配なさることはありますまい」
 
中の君は言う。
昨夜の事件のことを中の君はどう思っているのだろう?
 
中の君は中の君で、北の方は昨夜のことを聞いて、
心配してかけつけてきたのであろうと思ってやさしく言った。
 
「あの方を妹としてお迎えしたのです。
怪しからぬおふるまいをなさる方がないとは申せませぬが、
その辺の事情はみな承知しております。
お困りになるような目には決してあわせませぬ」
 
 
・・・・・・・
 
 
・北の方は中の君の気持ちにしこりを与えぬよう、
浮舟を引き取るつもりで来たのだった。
 
「明日、明後日と重い物忌みの日に当りますので、
さるところで厳しく守らせ、過ぎましたらまた参上させます」
 
と言って、浮舟を連れだした。
こんな時の方違えのためと思い、小さい家を用意していた。
 
三條あたりにある家だが、まだ作りかけなので
しつらえもそろっていない。
 
「ほんとに生きにくいものね。
私一人なら身分を落として、そっと世に埋もれて暮らすこともできる。
あのご親戚はもともと私に辛く当られた。
それを承知でこちらからお近づきを願ったあげく、
不都合なことが起きたら物笑いになる・・
粗末な家だけど、そっと隠れていらっしゃい」
 
北の方は浮舟にそう告げて帰り支度をする。
浮舟は泣きだしてしまった。
 
 
・・・・・・・
 
 
・北の方が常陸邸へ帰ると、常陸の介は北の方の留守を叱った。
北の方は情けなかった。
 
匂宮の御前で少将のまことに見劣りのする姿を見てしまったので、
以前はわがむこ君として大切に世話したいと思った気持ちも失せていた。
 
浮舟の隠れ住む三條の仮住まいは、
手入れの行き届かぬ庭のしげみもうっとうしく、
邸の警護に出入りする者たちの東国なまりも物憂い感じであった。
 
邸はまだ完成しておらず、
粗々として心も晴れぬ朝夕は異母姉君の中の君が恋しかった。
 
それにつけても、宮のおふるまいも思いだされ、
その時の動転ぶり、恐ろしかったことも忘れ難い。
 
 
・・・・・・・
 
 
・薫は秋もふけゆくころ宇治へと出かけた。
今は亡き大君を思い出させる造営中の宇治の御堂も完成したというので。
 
山の紅葉も美しい。
 
亡き八の宮が仏道修行者らしくおすまいになられていた寝殿が、
今度は大そう明るく造られていた。
 
弁の尼のもとへ立ち寄ると尼ははや泣き顔である。
 
「例の浮舟とかいう女(ひと)は宮の邸にいるようだね。
あなたから伝えていただけないだろうか」
 
「そういえば先日彼女の母親から手紙が参りまして、
近ごろは粗末な小家に隠れ住んでいて、こちらが近ければ連れていって、
お預けできれば安心ですが、険しい山道ゆえ決心もつきかねて・・
と書いてございました」
 
「それでは、その隠れ家へ連絡してくれないか」
 
「仰せごとをお伝えするのはたやすうございます」
 
弁は尼の身で恋の橋渡しをすることにためらうようだった。
薫はいつになく強引に弁を説き伏せた。
 
 
 
 
 
 
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
 
 
 
 
・浮舟の母君の気持ちもよく理解できます!
源氏の異母弟である八の宮との間に生した子・浮舟。
 
故八の宮はとうとうわが子とは認めて下さらなかった。
自分の身分が低いからであろうと、彼女は浮舟を連れて常陸の介と再婚したのです。
 
常陸の介も先妻との間に子供があり、
子連れ同士の再婚、そして二人の間にも子供はできて、
北の方はどの子もみんな同じように扱ってきたつもりでいました。
 
が、夫の常陸の介は浮舟に辛く当ったのです。
かばうのは北の方しかいません。
 
子供たちはみな適齢期になり、いい縁談をと親は奔走しますが、
夫は浮舟を継子扱いをするので、北の方が夫に内緒で浮舟の相手をみつけたのです。
 
浮舟の相手・少将は浮舟が常陸の介の実子ではないことを知って、
この縁談を断り、実子である浮舟の妹と結婚します。
 
北の方も思いきって夫に少将と浮舟の縁談を相談すればよかった?
いや、そうして結果縁談が円満に進めば物語は進まないですね
 
いよいよ、浮舟が宇治に行きます!
 
 
 
 
*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*

今朝のあたし・・(花子)

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・おはようございます。
相変わらず梅雨空がひろがっていますが、今のところ雨は落ちていません。
 
 
 
あたしは、ワンの花子です。
平成13年5月1日生まれなので、誕生日も過ぎて満12歳になりました。
 
 
 
 
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・ねっ!真っ黒だったあたしの体もどんどん白くなっていってます!
で、黒犬大好きのお母さんをとまどわせています~~
 
一昨年の秋には続けて大きな手術を2度も受けたワン。
それ以降は元気でいるけど、このとおりすっかり“おばあさん”になりました。
 
 
・・・・・・・
 
 
・このところ大雨が続いたので、散歩にも連れて行ってもらえない日が続いたワン。
あたしは雨が大きらいなのでぬれるのもキライ。
 
雨の日は庭で放してもらうのだけど、ぬれないように軒下を走っているワン。
あたしが走るから犬走りというのかなあ?
 
犬走りいぬばしり)とは、
建物に接して奥行き1m程、つまり軒の出程の寸法で設けられる、
コンクリートで作られた床。
が通れるくらいの幅しかない道という意味合いから呼ばれる。(ネットより)
 
 
 
 
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犬走りで。
 
 
・今朝はお父さんではなくて、お母さんが散歩に連れていってくれたの。
滅多にないことなので、あたしも気を遣ってゆっくり歩いたワン。
 
あたしは他のワンとすれ違う時、あたしより小さいワンだと無視するワン。
でもね、あたしより大きいと向かっていってしまう・・
 
なので、お母さんは他のワンがいないかそればかりを気にしながら
リードとあたしのおみやげ入れ袋をしっかり持って歩いてくれたワン。
 
さすが、今朝は他のワンとは一度も出会うことなく散歩は終了。
お母さんの願いが届いたようね!
 
よかったこと。
 
やはり外へ出るのは嬉しいな!
田植えの終わった水田ではあんなに小さかった苗がもう大きくなっていたワン。
 
真夏になると冷たい井戸水を汲みだすところへ行くのが楽しみ!
じゃぶじゃぶと水浴びできるのももうすぐ。
 
でも、あたしももう年だし・・体を冷やすのはよくないかも?
その時になって判断するワン。
 
 
 
 
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どう?すっかりおばあちゃんでしょ?
奥に見える鉢植えは緑のカーテンにと今年はアサガオが植えてあるワン。
 
アサガオたちはかなり大きくなって出窓を緑に染めはじめています。
今まではゴーヤばかりだったので、
今年は花を!とお母さんがアサガオを植えました。
 
老体をさらけてごめんなさい。
でも、食欲はあるし、見慣れない人が来ると吠えるワン。(笑)
 
さあて、夕方のお散歩までひと眠りしようと思ってます
寝るワンは育つ~~おやすみなさい。
 
 
 
 
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・

44、「東屋」・・(八)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
 
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・暗くなったので薫は京へもどった。
 
美しい草花や紅葉などを折らせ、
新妻である女二の宮にお土産としてさしあげる。
 
薫は妻を大切にしているが、あまりうちとけて親しんではいない。
妻の父帝と薫の母宮はご兄妹の仲。
 
どちらからも大切にされる妻に、
薫は妻というよりも高貴なお方にお仕えするという思いで気骨が折れる。
 
それに秘めた執着も生まれて正室に対して
うしろめたい気持で苦しかった。
 
 
・・・・・・・
 
 
・弁と約束した日の早朝、薫は気心の知れた家来、
世間に顔を知られていない牛飼いを選んで牛車を宇治へやらせた。
 
弁は京へ出るのが辛かったが、迎えの車に乗った。
日暮れに車は目当ての浮舟のいる小家に着いた。
 
浮舟は思いもかけぬ弁の訪問を喜んだ。
弁は彼女に薫の気持ちを伝えた。
 
宵を過ぎるころ、小さい邸に女たちのどよめきが走った。
薫の訪れと知って、みな心をときめかせた。
 
それにしても、むさくるしい家に予想外の薫の出現。
どうしてよいかわからないでいると、雨がひどくなってきた。
 
薫の心地は、
 
【さしとむるむぐらやしげき東屋(あづまや)のあまりほどふる雨そそきかな】
 
(むぐらが生い茂って戸口を閉ざしているのか?
あまりにも待たせるじゃないか。
すっかり雨だれにぬれそぼってしまったよ)
 
薫の頭に催馬楽の「東屋」のうたが浮かぶ。
 
 
・・・・・・・
 
 
・浮舟側の乳母たちはどう考えても薫を拒む口実がなく、
南の廂の間に薫を招き入れた。
 
浮舟が全く会おうとしないのを女房たちが押しだした。
浮舟は近づく運命そのもののような男の姿に身を固くした。
 
薫は大君のことは口にしない。
浮舟は期待にたがわずおっとりとして愛らしい。
 
これは高貴な正室の女二の宮にも、敬愛する中の君にも、
持ったことのない感情であった。
 
 
 
 
 
 
。+゚☆゚+。★。+゚☆゚+。★。+゚☆゚+。★。+゚☆゚+。
 
 
 
・むぐらとは?
 
ムグラ(葎)は、密生し藪をつくる
荒地や湿地などに雑草として生える。ウグラモグラとも。
(ウィキペディアより)
 
手入れする人がいない庭では四季を通じて、
特に今の梅雨の季節はむぐらの広がり方も早いでしょう。
 
こういう家に浮舟を母の北の方はかくまったのですね。
薫はなんとか彼女を宇治の新築なった邸に連れていきたい!
 
弁を拝み倒して迎えに京まできてもらったのでした。
まだ会ったことのない女の人にこれだけのことをやってのける薫。
 
大君への思いが、
そして叶えられることのない中の君への思慕がそうさせたのかもしれません。
 
薫の計画を匂宮は知ってしまいますが・・
宇治でくりひろげられる薫、匂宮、浮舟のそれぞれのからまった関係は~~?
 
 
 
 
 
。+゚☆゚+。★。+゚☆゚+。★。+゚☆゚+。★。+゚☆゚+。
 
・記事に「ナイス」をありがとうございました。  7月2日

女性コーラスの発表会へ~~♪

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・2013年も半分を終えて、今日は7月2日です。
 
先日の日曜日、
かねてよりお誘いを受けていた発表会を聞きにでかけてきました。
 
小学校の時からの友人が、子育てが終わったころに、
地域の方々で歌うことが大好きな仲間数人で始めた小さなグループが
今年で結成23年目を迎えたのです。
 
2年に1度、定期発表会が開かれます。
メンバーも高齢化が進んで、会長も74歳になられたそうですが、
とってもお元気で美しい!
 
背筋がピンと伸びて黒いロングドレスがまた一段とお似合い!
ご挨拶の中にユーモアを取りいれられて
会場を爆笑のうずに巻き込まれるのはさすが!
 
もう一人の同級生と待ち合わせて会場へ行きました。
 
 
 
 
 
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開幕直後の様子です。
 
私のデジカメはフラッシュなしでも撮れてしまいます。
撮影はご遠慮ください!の指示はありませんでしたので、あしからず。
 
結成当時から、辞めていかれる人はあっても、
新しく入ってこられる方はいないようで、年々メンバーは減少中とのこと。
 
でも、それがまた楽しいそうです!
歌うことが大好きな仲間が集まって20余年。
 
会場もほぼ満席状態で久しぶりに、
童謡やロシア民謡、女性コーラスならではのはじめて聞く曲など、
途中10分間の休憩をはさんでみっちり2時間女性コーラスを楽しんできました。
 
楽譜を見ずしてよくもこれだけ多くの歌詞を、そしてメロディを覚えられるもの!
わたしなど心から尊敬してしまいました!
 
 
 
 
 
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プログラムに載っていたメンバーのみなさん。
ちなみにこの衣装は前回のものです。
 
 
・一緒に出かけた友人と毎回、ご一緒するのですが、
コーラスも素晴らしいし、きっと練習も厳しいのでしょう。
 
家庭の主婦の底力を見たような2時間でした。
ほとんどがもうおばあちゃまになっておられるのですが・・
 
中でもわたしが一番お気に入りだった曲
 
 
「モルダウ」です。
聞きながら思わず涙がこぼれてしまいました。
 
いい時間をありがとう
 
 
 
 
〓♪〓♪〓♪〓♪〓♪〓♪〓♪〓♪〓♪〓♪

45、「東屋」・・(九)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
 
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・長い秋の夜も薫の新しい恋にとっては短かった。
早くも空は白みはじめる。
 
薫は人を呼んで車を寄せさせ、浮舟共々車に乗る。
いつもの薫らしからぬ大胆な行動だった。
 
誰も彼の行動を止めることはできぬ。
 
「なんということでしょう。姫君をどこへ?」
 
乳母たちは狼狽する。
 
「それに今は九月ではございませんか。
九月は結婚には忌み月と申します・・」
 
と、おろおろと言い騒いだ。
弁の尼は心外な気がしたが、人々の混乱をなだめなければいけない。
 
牛車は出て行く。
薫の目ざすのは宇治であった。
 
 
・・・・・・・
 
 
・賀茂の河原を過ぎて法性寺のあたりですっかり夜は明けた。
牛車の前の方に薫と浮舟、後ろには弁の尼と侍従が席を占める。
 
浮舟本人は昨夜からの運命の転変にぼんやりとしていた。
弁の尼は浮舟と薫の二人を見ると、
 
(これが大君さまと薫さまだったらどんなによかったろう・・)
 
と、涙が浮かぶ。
薫も山深く分けゆくままに、宇治の霧と共に心もふたがるようだった。
 
亡き大君はおっとりとしていたけれど、心ざま深かった。
つい、思い比べるうちに宇治に着いた。
 
亡き大君の魂が見守っているような気がする。
浮舟は母君がどんなに心配しているだろうと悲しかった。
 
だが、それよりも薫の美青年ぶり、やさしさが強烈な魅力だった。
これも運命かも?と思いながら車から降りた。
 
 
・・・・・・・
 
 
・例によって薫の荘園から人々が集まって奉仕する。
浮舟は新装なった山荘からの眺めのよさに思いも晴れる気がした。
 
しかし、自分はここでどういう風に扱われるのだろう?
と、思うと不安でもあった。
 
薫は京の自邸に手紙を書いた。
 
「まだ出来上がらぬ仏の御飾りをしようと、
今日は日もよろしいので急いで宇治へ参りました。
今日、明日とこちらにいます」
 
母宮と正妻・女二の宮に告げた。
そして浮舟の部屋へ行った。
 
(この女・・ひと・・をどう扱ったらいいのだろう?
今すぐ京の邸へ重々しく迎えるのも世間の目があろう。
といって、その辺の女房たちと同じ扱いで宮仕えさせるのも本意ではない。
しばらく、ここ宇治に隠しておこう)
 
宇治にそう度々通えないことは分かっていた。
逢えないのはどんなに淋しいだろう。
 
薫はこまやかにやさしく浮舟に語りかける。
亡き八の宮のこと、昔の思い出・・
 
浮舟は気おくれしてはにかんでいるばかり。
薫は物足りなく思う。
 
(頼りないぐらいの方が教えがいもあるというもの。
なまじ田舎じみた風流気どりが身についた者だったら、
大君の形代にはならない・・)
 
薫はそう思い自分を慰める。
 
 
 
 
 
 
*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*
 
 
 
 
・薫の浮舟への思いはあくまでも大君の代わりでしかないようです。
亡き人に似ている、というだけで、しかも亡き人の異母妹というだけで、
愛されるとは、男の人はいつの世もエゴイスト?
 
自分のことしか考えない人。自分勝手でわがままな人。利己的な人。利己主義者。
 
(エゴイストの意味。大辞典より)
 
浮舟の気持ちはどうなのでしょう?
母君の再婚相手の家で肩身狭く暮らしていた頃よりも、
男前の身分高い人のいいなりになるのが幸せだったのかも~~?
 
「源氏物語」には頼りなげな女人が何人も出てきますが、
浮舟はやがて匂宮からも愛されるようになり、
二人の男性の間でゆれうごくようになります。
 
彼女がとった行動は?
どちらを選んだのか、選ばなかったのか?
 
沈着冷静な薫。
欲しいものは何でも手に入れようとする情熱家の匂宮。
 
どちらも男前で身分高い貴公子。
どうします?浮舟さん
 
 
 
 
*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*

おしゃべりとコメント

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・若葉のころから気分的にうつうつとした日々が続いていたわたしです。
(それにしてはブログ休んでないやないか!)と言われそうですが・・
 
どうということはないのですが、
何ごとに対しても消極的で「これでええやないか!」と思う日々でした。
 
原因不明です~~
食欲はありますし、体は元気ですが気持ちがも一つパッとしません。
 
こういう時には動かずにじっとしていることが大事です。
なので、先日の音楽会も当日ぎりぎりまで行くか行かないか、迷っていました。
 
行ってみようという気持ちになったのは、
始まる前に一緒に聞きに行く友人とお昼をご一緒にという約束があったのです。
 
あはは・・「食べる」ことに関しては動けるようです!
当日、会場近くの開店したばかりのお店へ二人で行ってきました。
 
 
 
 
 
 
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若い女性ばかりで始めたお店らしくて、お運びの女性は、
 
「まだ始めたばかりなので行きとどかないこともあるかと思いますが、
私ども一同一生懸命つとめさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
 
と、お茶を運びながらすべてのお客さまに告げておられた。
はこの日の日替わりメニューでおすすめです。とのこと。
 
 
 
 
 
 
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・器も盛り付けも女性らしい気配りが感じられて嬉しかったです!
最後に水羊羹のデザートも出てきました。
 
 
・・・・・・・
 
 
・彼女とはこの音楽会にはいつもご一緒する小学校からの同級生です。
音楽会が2年ごとに開催されるので、会うのも2年目。
 
七夕よりも長い間会っていませんが、
会えばたちまち当時に戻ります。
 
食事をしながらいろんな話をしているうちに、(ほとんど聞き役でしたが・・)
私の気持ちもほどよくほとびていきました。
 
その後、きれいな歌声を聞いて心も晴れやかになったようです。
美味しいものとおしゃべりと澄んだ歌声~~
 
うつうつと落ち込みがちな(きっと年のせいと思われます)気分ながら、
ブログを日々の楽しみにしていました。
 
若葉の初夏から梅雨へと季節が移っていきます。
祇園祭やなあ~~
 
つたないわたしのブログへもみなさまからあたたかいコメントが届いて、
それにお返事を書きながら、
これってすごく幸せな時間だなあ!と思えるようになりました。
 
一つのきっかけが一番近くにあったわたしの充実した時間を教えてくれました。
先日来、うつうつとした気分はやわらいできています。
 
ほんとうにありがとうございます!
これからもどうぞよろしくです。
 
 
 
 
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夏祭りが終わったあとで~~

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・先日の土曜日~日曜日にかけて地区の夏祭りがありました。
無人の神社ですので、毎年自治会が家の順番に6軒ずつで運営をしています。
その当番に今年は我が家が当っています。
 
この4月から来年3月までの1年間で最も大きな行事なのです。
6軒で集まって責任者を選ぶのにすったもんだの挙句、
おっちゃんが責任者になったのは以前にもブログ記事にしました。
 
 
 
 
 
 
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・土曜日は朝から各家から2人ずつ出て、清掃、お祭りの準備、
倉庫から提灯、幟、幕を出して来てこれは男性の仕事。
 
みんなで手分けしてお昼前には神棚の飾り付けも終わって、
午後からは交代でお守りをしました。
 
次々と自治会の方々がお供えを持参して、
あるいはお参りに来られます。
 
 
 
 
 
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・そして翌日曜日の午後には神主さん登場で、
自治会、子供会代表がお祓いを受けて
祝詞をあげていただいて無事終了!
 
 
・・・・・・・
 
 
・神主さんが帰られてからが大忙し。
子供たちの人数分の用意したお菓子の詰め合わせを役員のお母さんに渡して、
お供えのスイカも2つ、子供さんたちで分けるようにと渡しました。
 
子供たちとは、幼稚園児~小学校6年生まで30余名。
 
前もってクーラーボックスで冷やしておいた飲み物や
お盆に盛ったお菓子を出して、みんなでちょっとした宴会になりました。
 
ここまではほんとにスムースにことが進んでほんとによかったのでした。
 
1時間ほど、子供たちも境内で遊んで、
子供の父兄の方々もあちこちで雑談の花を咲かせてにぎやかに楽しく過ぎました。
 
 
ところが・・
 
宴もお開きになり、三々五々神社をあとにみなさん帰られて、
後は片づける段階になって、わたしたち当番はお供えを分ける仕事と、
道具の後片付けが待っています。
 
子供たちは飲み物の空き缶や食べたスイカの皮を、
あらかじめ用意しておいた指定のごみ袋に入れて帰りました。
 
子供たちのまとめ役の役員のお母さんが残っていたので、
わたしは、こう切り出しました。
 
「子供さんたちの残した空き缶やスイカの皮はそちらで処分してくださいね」
 
すると役員だという彼女血相を変えて言い返してきたのです。
 
「えっ!これは当番の方たちの仕事でしょっ。
私たち子供会がなぜ処分しないといけないのですかっ?
去年も一昨年も毎年、後片付けは当番の役目ですっ!
そのための当番じゃないのですかっ?」
 
その言い方にお供えをして下さった方へ、
おさがりを分けていたわたし以外の女性たちが凍りついてしまったのでした。
 
手の動きが止まり、ピンとした気まずい空気が充満します。
 
男性たちは道具を倉庫へ運んだりしていていなかったのですが、
おっちゃんだけ責任者で残って現場に居合わせました。
 
「食べたのは子供さんでしょう?
だったらその後片付けはしてもらえたらと・・」と、わたし。
 
「あなた(わたしのことらしい・・倍以上も年長者に向かって)、何言ってるんですかっ?
当番の仕事ですと何度言ったらわかるんですかっ!
大人の人(子供たちの父兄)も食べたのですよっ。
それにすいかは自治会の人がお供えされたのでしょっ!
子供会には関係ありませんっ!」
 
と、きんきん声でぬかすのであります。
わたしも思わずヒートアップして次の言葉をさぐっていると、
 
見るにみかねたおっちゃん、
 
「もうええやないか。そのへんでやめとき。
そない言われるのやったらこちらで処分したらええやないか」
 
と、いかにも善人面してこれまた向こうの方を持ってぬかしよったのです。
 
わたしは怒り心頭。
しかし、誰も援護射撃はしてくれず、全く孤軍奮闘状態!
 
おっちゃんの言葉を聞いた彼女勝ち誇ったように
 
「じゃ!よろしくおねがいしますっ!」
 
と、ぬかして胸を張って帰っていったのでございます!
まるでと同じようなお顔に見えてしまいました。
 
 
 
 
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・息子が子供だった時、
わたしは当番の大人の方の言われるように動きました。
 
なんでも「はい、わかりました」と素直に聞いたものでした。
彼女が帰ったあと、残った5人の女性たち口々に、
 
「今の若い人って・・怖い!」
 
わたしはそのせいと暑さで血圧上昇したらしく、
昨日は一日中横になっていました。
 
言葉の最後に小さい「っ」が入る言い方をされたのも、
長い人間生活の中で全くはじめて!
 
「終わりよければすべてよし」と言いますが、
終わりが、いたちのすかしっ屁をくらったようで最悪の夏まつりになってしまいました
 
 
 
 
━―━―━[ JR ショボン駅 (´・ω・`) ]━―━―━

46、「東屋」・・(十)

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(薫 26歳秋)
 
 
 
 
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・弁の尼のもとからくだものが届けられた。
箱のふたに、紅葉やつたなどを折り敷き、敷いた紙に歌が書いてある。
 
・やどり木は色かはりぬる秋なれど むかしおぼえて澄める月かな
 
(宿木はすっかり葉の色を変えて紅葉になりましたが、
月ばかりは昔のままに澄んでおります。
亡き大君さまから浮舟さまへ運命は変りましたが、薫さまはお変わりなく)
 
と、老人らしい古風な詠みぶり。
薫はすべての事情を知っている弁の尼に返歌した。
 
・里の名もむかしながらに見し人の おもかはりせる閨の月かげ
 
(宇治という里の名も、世を憂しと思う私の気持ちも変らないのに、
ねやにさし込む月の光で見れば愛する人は違っています)
 
 
・・・・・・・
 
 
・匂宮は今なお、かの夕べに出会った謎の美女のことを忘れられない。
浮気なお心には中断された恋が残念でならない。
 
中の君に嫌味を言われる。
 
中の君は自分が彼女を隠したと宮に責められるのも辛くて、
本当のことを言ってしまおうかと思うが薫の思惑を考えると言いだせなかった。
 
恋にいら立つ宮に比べ、薫はおっとりとかまえていた。
薫は気を鎮めてあれこれと配慮をする。
 
彼の慎重で着実な性分からであろう。
浮舟を連れてくる邸を薫は京に造らせていた。
 
公私ともに多忙な薫だが、今も変わらず中の君に心を寄せ、
何かと世話をしていた。
 
しかし、現実には薫と中の君は直接会うことは滅多になくなっていた。
宇治のころからあまりにも多くの時間が経っていた。
 
 
・・・・・・・
 
 
・二人の仲を深く知らぬ女房たちも増えていた。
それに絶えず宮が二人の仲を疑っていられるのを中の君は困惑せずにいられない。
 
宮もその浮気なご本性ながら、若宮にも中の君にもやさしいのであった。
 
正室の六の君のもとではいろいろとお気づかいがあるが、
中の君のもとでは心うちとけてくつろいで大切に扱われる。
 
中の君は薫が浮舟を得て今は言い寄ってこなくなり、
気のもめることも以前より薄らいで過ごしていた。
 
 
(了)
 
 
 
 
*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*
 
 
 
 
・とうとう薫は浮舟を宇治へ連れてきました。
いずれは京へ迎えようと思う薫ですが、
やがて匂宮が浮舟の居場所・宇治をさぐりあてやってきます。
 
二人の男性の間で揺れ動く浮舟の運命は?ですが、
ここで、六の君が出てきました。
 
誰だったかな?
匂宮の正室で、あの光源氏の息子・夕霧の姫君です。
 
それも最愛の雲井雁との間できた姫君ではなくて、
身分の低い女性との間に出来た姫君でした。
 
父の源氏と違って息子の夕霧だけはおばあちゃまのもとで一緒に育った、
雲井雁と純愛を貫いて雲井雁一人でいく!と思ったのに・・
 
男の人は、何をか言わんや!のようです。
 
夕霧はそれだけではなく薫の実父である親友・柏木の正妻である、
薫の母の姉・女二の宮を柏木早世後、妻として迎えたのですね。
 
柏木は晩年の源氏の正妻になった女三の宮に恋をして、
恋するあまり三の宮の姉を妻として迎えました。
 
が、三の宮のことが忘れられず恋心が募って若くして亡くなりました。
正妻の二の宮のことを「落葉の宮」などとおとしめていました。
 
柏木の死後、世話をする間に夕霧が自分のものにしてしまったのでした。
女の人も大変だったようです。
 
六の君の母の身分が低かったので、この女二の宮(落葉の宮)の養女として、
夕霧は匂宮の正妻としたのでした。
 
夕霧もようやる~~
 
 
 
 
*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*:--☆--:*
 
・記事にナイスをありがとうございました。  7月12日

猛暑の午後に

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・ほんとに毎日あっついことです。
日中の猛暑、夜は熱帯夜とひたすら「忍」の日々が続きます。
 
昨日の朝、先日女性コーラスを聞きにご一緒した友人から電話があり、
朝から実家(我が家の近所になります)へ行くので、
会えませんか?とのこと。
 
午後2時という申し出に、
わが家へ来てください、最も暑い時間帯ですし、と言ったのですが、
お互い気を使うから近くの喫茶店で待ってます、と言って電話はきれたのでした。
 
 
 
 
 
 
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・あまりにもきつい上からの日射と、下からの照り返しに、
歩いても十分な距離を自転車に乗って出かけてきました。
 
暑い盛りに誰にも会わなかったですが、冷房のきいた喫茶店はほぼ満席。
しばらくすると彼女もやってきて、隅っこの席に向かい合って坐りました。
 
先日、会ったばかりなのに、何が~~?
 
その時、彼女が話していた友人との一泊旅に出かけてきたので、
そのお土産をわたしにも買ってきてくださったのでした。
 
果実のゼリーのおみやげ・・
わたしにまで気を配っていただいてほんとにありがとう!
 
1時間ほど冷房のきいた喫茶店でホット・コーヒーを飲みながらおしゃべり。
 
 
・・・・・・・
 
 
・前回の夏祭りの件についてたくさんのコメントありがとうございました。
いっぱい考えさせられることもあって大変参考になりました。
 
こんなことがあってね、と息子に話したところ、
彼の意見はこうでした。
 
「お母さんは本はよく読んでると思うけれど、
人に話す時、相手がカチン!とくるような言い方するよなあ~~
ボクもそれは感じる。
その人もお母さんの言い方でそんな言い方になったような気がする。
人と話す時は、相手の立場になって、と思うわ。
本の世界と現実は違うのはわかってるよなあ」
 
老いては子に従え!ですか?
説教されてしまった・・口惜しいけど言い返せない
 
以後、気ぃつけます。
自分では無口と自負しているはずが、
もっと口数多く、こうこうかくかくしかじかでなのでこうして下さいねと言えばよかったのかも?
 
息子も子供の後始末ぐらい黙ってやれば!と言ってました!
そうなんですね・・
 
 
 
 
*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。

47、「蜻蛉」・・(一)

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(薫 27歳)
 
 
 
 
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・年が明けた。
 
匂宮が二つになられた若宮のお相手をなさっていた昼過ぎ、
女童が手紙を運んできて中の君に捧げた。
 
「どこからだね?」宮が仰せられる。
 
「宇治から・・」
 
「どれ、私も」と宮は近づかれる。
 
中の君ははらはらした。
宇治からの便りとあれば、浮舟のそれかもしれないと思い、
 
「大輔にきたのでしょう?大輔のところへ持ってお行き」
 
中の君が言うのを、宮はこれは薫からの手紙ではなかろうかと、
取り上げられて、
 
「見てもいいかね?」と言われる。
 
「そんな・・女同士でやりとりする手紙をご覧になりたいですか?」
 
中の君も動じない。
開けて見られると、若々しい筆跡、その筆跡は宮の知らないものだった。
 
(誰だろう?)
 
「早く言いなさいよ、これは誰からの手紙なのか?」
 
「昔、宇治の山荘に仕えていた女房の娘が、
いろいろ事情があってあちらにいると聞いています。その娘からです」
 
中の君は答えたが宮は信じられない。
手紙に書いてある「物思いにふけっている」人は女房の娘とは思えない。
 
宮の勘はするどい。
 
 
・・・・・・・
 
 
・(そうか!なるほど・・あの時の女だな)
 
中の君は女房相手に小声で言う。
 
「浮舟の手紙を宮に見られるなんて・・
小さい人が受け取ったのを女房たちはどうして気づかなかったのかしら」
 
「あの子は考えのない出しゃばりなんですわ。
子供ってものはおっとりとしているのがかわいいのですが、
あの子ときたら・・」
 
「小さい人相手に腹を立ててもはじまらないわ」
 
その女童というのは、去年の冬ある人が奉公にさし上げた子で、
顔立ちがかわいいので、宮も目をかけていらっしゃった。
 
宮は思い当られる。
 
(薫が宇治へ絶えず通っていると聞いたが、
いくら大君ゆかりの地といってもそんなところで独り寝するものかと思っていた。
なるほど、女をかくしていたのか)
 
 
・・・・・・・
 
 
・そして大内記をお召しになる。
大内記とは文筆にたずさわる役人である。
 
この男は薫に近い男であることを宮は思いだされたのである。
 
「右大将(薫)が宇治へおいでになるのは相変わらずかね?
寺を造ったというが、見たいものだな」
 
大内記は口軽く、よくしゃべる男であった。
 
「宇治へお通いになるのは、去年の秋ごろからでございます。
こっそりうわさをしていたのですが、ひそかに女人を隠されていられるとのこと。
京からも必要な品々を運ばれておられます」
 
宮は(うれしいことを聞くものだ)と思われて、
 
「前から住んでいる尼がいるそうではないか?」と聞かれる。
 
「尼君は渡殿に住んでいます。
女人は新築された寝殿に、女房なども大勢使って暮らしております」
 
宮は薫の聖人君子のような仮面をひきはがした!
とばかり面白がっていられた。
 
宮は中の君と浮舟の関係、異母姉妹であることをまだご存知ない。
それゆえ、消しても消しても晴れぬ疑いがわいてくる。
 
中の君と薫が自分をあざむき、
腹を合わせて何かを隠しているという嫉妬である。
 
宮は「宇治の女」のことばかり思い詰めていられる。
 
 
 
 
 
 
*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*
 
 
 
 
・王朝の昔にも、いやいつの時代にも、
出しゃばりの子供やおしゃべりの男はいたようです。
 
今日の女童が出しゃばりな子ではなくて、
まわりの大人に手紙をどうしましょうか?と聞くような子供であったなら、
この物語は成立しないわけで、いないと困るのですね。
 
それと、おしゃべりな男もいないとこれまた物語がストップしてしまいます。
 
おしゃべりは女性の特権とかいいますが、
男の人の中にもしゃべりん(おしゃべり人間)は今もいますよね。
 
かわいげのある憎めないしゃべりんは場を和ませてくれますし、
いてもらわないと困ることもあります・・
 
が、あまりしゃべりすぎるのも考えものですよね。
ちなみにわたしのまわりにいる男共は「単語男」ばかりです~~
 
 
 
 
*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*――*☆*

さがしものは?

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・日曜日の午後から昨日の祭日の午後まで、
こちらは大荒れのお天気でした。
 
連日の猛暑はいっとき大雨のおかげでおさまったのはよかったです。
しかし、昼間でも夜のように真っ暗になりまるで滝壺状態の大雨と雷鳴~~
 
雨で恐怖を覚えたのもはじめてでした。
 
 
・・・・・・・
 
 
・先週末に先日の夏祭りの子供会の収支報告と残金を持って、
子供会役員の例の彼女が来宅しました。
 
毎年、子供会が各戸からこの夏祭りのために500円を集めます。
先に子供会がこのお金で参加賞の子供のおやつや学用品を買います。
 
残りのお金で当番がお祭りの運営をします。
 
 
 
 
 
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・それで、昨日は朝からおっちゃんは夏祭りの残務整理をやっておりました。
会計報告は一円の桁までばっちりと合わせたのはさすが!
 
こまかいことならおっちゃんにお任せ!です(笑)
 
雨もあがってそろそろ夕食の準備を!と思ったところ、
おっちゃんが
 
「のしはどこや?」と、わたしに聞いてきました。
 
お祭りの前日には神前に有志の方々がお供え物を持って来られます。
スイカやバナナ、缶ジュースやビール、その他・・
 
それぞれに「お供え」ののしがかけられています。
のし紙は大切にとっておくように、ときつく言われていたので、
お祭り終了後、最善の注意をはらってわたしはのしをまとめてナイロン袋へ。
 
ところがそれが見当たらない!というのです。
空のカミナリも怖いですが、家にいるカミナリはそれ以上にこわ~いのであります
 
ドッカン、ドッカン、遠慮もしゃしゃらもなく落としよる~~
どこを探してもない、お祭り用具を片づけた倉庫まで見にいったけどない!らしい。
 
言い返すのもしんどいし、勝手に何なと言うとけ!状態でしたが、
今年のお供えをした人と品名を記帳しないといけないらしい~~
 
全面的にわたしが悪いみたいな言いようなので、
「そんなに言うのなら~~探そうじゃないか!」
 
花子がねそべっている倉庫に行くと、
お祭りに使ったゴミ袋をきちんとのばしてたたんである横に、
見覚えのあるナイロン袋があるではあ~りませんか
 
「あったよ~~!」
 
とのしの入った袋を目の前に出してやりました。
自分が車からいろいろなものをおろした時に無意識に置いたらしい。
 
それをすっかり忘れて・・
今朝はすごく低姿勢です。
 
空も家もカミナリは去ったようです。よかったこと!
この歌が頭に浮かびました(古っ!)
 
 
 
 
 
 
 
 
。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *

48、「蜻蛉」・・(二)

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(薫 27歳)
 
 
 
 
 
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・正月の行事も終わり、落ち着いたころ役人昇進の公事があり、
例の大内記は昇進の欲があるので匂宮の口利きを期待して、
宮のお側でお気にいられるように勤めていた。
 
「例の宇治の女、
以前私とかかわりがあった人で行方知れずになっている人がいて、
その人と同じか見定めたい。
決して人に知られないように探ってもらえないか?」
 
大内記は否定的なことは言わない。
 
「夕方、京をお出になりましたら、
亥か子の刻(午後9時~午前1時)には着きましょう。
夜明けまでに京へお帰りになられますとよろしいでしょう。
誰知る人もございません」
 
お供には昔から宇治のことをよく知っている者2~3人。
宮が中の君のもとへ通われていたころの従者である。
 
それに大内記。
薫が今日や明日に宇治へ来ることはあるまい、と宮はお出かけになる。
 
 
・・・・・・・
 
 
・宮はその当時のことを思い出される。
あの時、薫は自分と中の君のことで骨を折ってくれた。
 
その薫の好意を裏切ることになるのではないか・・
 
その上、京の内でさえ忍び歩きなど出来ない身であるのに、
みすぼらしくやつしたお姿で馬で行かれる気持ち。
 
なんとなく恐ろしくもうしろめたくもあるのだった。
道を急いで宵を過ぎるころ山荘に着かれた。
 
薫の家来に山荘の勝手を聞いていたので、
宮は難なく寝殿の縁に上がられた。
 
格子に穴がある。
節穴からのぞかれると室内がよく見える。
 
こざっぱりと新しいが、やはり山荘風に粗々としていて、
すき間や穴があってもふさいでいない。
 
灯を明るくして女房が3~4人、女童がいる。
(あの二條院で見かけた子ではないか)
 
宮は信じられない。
女主は臥していた。中の君によく似ている。
 
 
・・・・・・・
 
 
・女たちはいろいろと内輪話を言い散らしている。
中の一人が言った。
 
「宮の上(中の君)こそ幸運なお方です。
宮さまを婿君として重々しくおもてなしになっていらっしゃる右大臣(薫)さま、
けれど、若君がお生まれになってからは、御方さまもゆったりとしていらっしゃる」
 
また別の女房が言う。
 
「浮舟さまだって、薫さまがご誠実に愛して下さるから、
宮の上に負けはとらずお幸せにおなりです」
 
匂宮は、一体中の君と浮舟はどんな続き柄なのだろう?
といぶかしんでいられる。
 
(どうすればこの女をわがものにすることができるだろう?)
宮は我を忘れて視線を浮舟から離すことができないでいられた。
 
浮舟の側近の女房の右近が言った。
 
「京の母君がどんなにお急ぎになっても、
お迎えのお車は日が高くなってからでしょう」
 
それでやっと女房たちは眠った。
宮は決心なさる。
 
しのびやかに格子を叩く。
右近が聞きつけ、薫君がおいでになったのか、と起き出した。
 
右近に宮は「開けよ!」と命じる。
宮は薫に似せておっしゃる。右近は宮だとは思いもよらない。
 
すっかり、薫と信じ込み格子を開けた。
宮はものもおっしゃらない。
 
右近は薫のお供と顔ぶれが違うことも気づかない。
薫と信じ込みそして寝入ってしまった。
 
浮舟は動転していた。
身を寄せて添い伏した男を薫だとばかり思っていた。
 
しかし、薫ではない。
 
 
 
 
 
 
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・おおざっぱに人の動きだけを記してしまいましたが、
実際は真冬の都から山深い宇治の里までの道のりの描写が抜けています。
 
雪は積もり、道なき道を馬を駆って暗い道を行く匂宮。
それも誰にも知られずに忍んでいくさま、
恋は盲目とはよくいったもの。
 
やがて浮舟は匂宮にも魅かれていき、
薫と宮の間で揺れ動くさまが描かれます。
 
心では薫へ向かう気持ちの方が強いのに、
体の方は宮へとのめりこんでいく・・みたいな。
 
エロチックな描写が少ないおせいさんの訳ですが、
それでもかなりきわどいです。
 
こういう描写はわたしも大変苦手なのではしょります~~
大事なところはしっかりととらえております!
 
 
 
 
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緑のカーテン・・

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・7月も後半戦に入って、夏本番に向けて猛ダッシュの候ですが、
東北の日本海側では大雨の被害が伝えられて、
どうぞ被害が最少で済みますように
願わずにはいられません。
 
初夏のころ、東の窓辺の下に毎年 ゴーヤの鉢植えを置くのですが、
今年は アサガオ 挑戦してみました。
 
7月に入って、やっと窓辺までつるが這い上がってきましたが、
葉ばかり茂って花は数えるほど・・
 
 
 
 
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・しかし、朝日と午後の夕陽の照り返しから
さえぎる役目を葉っぱたちは果たしてくれています。
 
 
お昼ごはんの準備と片づけはいつのころからか、
おっちゃんの仕事として定着しました!
 
献立はわたしがアドバイスするのですが・・
昨夜のノコリモノを使って作っていただきます。
 
メニューも固定化してしまいましたが、
ブツブツに切った野菜がゴロゴロといっぱい入っているチャーハン(笑)
 
わたしがいつこけても食べて行かれるように、
涙ぐましいわたしの思いやりです・・
 
 
 
 
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(室内から見える緑のカーテン)
 
 
 
・先日の17日のお昼前もノコリモノとわたしのアドバイスでおっちゃんは
キッチンに立っていました。
 
わたしは扇風機の風にパラパラ広がる新聞を広げていましたが、
イライラするのでテレビをつけました。
 
丁度、その時、坐っていたわたしは椅子ごとグラッと揺れたのです
「あっ!地震~~」
 
驚いて立ち上がったわたしでしたが、
おっちゃんは気付かなかったようで、「揺れてへんがな!」
 
よし!どちらが正解か今にわかる!
テレビを見続けていますと、やはり0時9分ごろ淡路島を震源とする地震発生、
と、地震速報が字幕で出ました。
 
カミナリも怖いけど、地震もさらにその上をいきます。
震度2程度でビクビクしていたらあきませんね。
 
 
・・・・・・・
 
 
・17日は、7月いっぱい京都で繰り広げられる祇園祭のハイライト、山鉾巡行の日であり、
また地元では宝塚音楽学校百年祭が宝塚大劇場で催された模様が
ニュース映像でテレビから流れました。
 
 
・・・・・・・
 
 
出窓に置かれた ヘデラの鉢植え、
冬の間、葉ボタンの寄せ植えに緑色を添えてくれたのですが、
元気でいたので伸びたつるを切り戻して植え替えました。
 
少しずつつるを伸ばし始めています
 
 
 
 
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9月のお彼岸ころまであとしばらくは猛暑との戦い。
少しでも涼しく過ごせたらいいですね
 
 
 
 
♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。゜♥。゚♡゚・。♥。・゚♡゚・。♥。

49、「蜻蛉」・・(三)

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(薫 27歳)
 
 
 
 
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・薫が新装した宇治の山荘で落ち着いた生活をはじめた浮舟を、
真冬のある夜、匂宮が闇にまぎれて訪れた。
 
側近の女房・右近でさえ薫と信じて疑わず、
浮舟のところへ案内して寝入ってしまったが、薫ではなかった。
 
「二條院ではじめてちらっと見たあなたを忘れたことはなかった・・」
 
(二條院?)浮舟のあたまに異母姉・中の君のいる二條の邸で、
宮に迫られたあの衝撃がひらめいた。
 
では、この男性は宮なのか?
不意をつかれて浮舟は踏みとどまろうとしたが無理だった。
 
(お姉さまを裏切ることになってしまった・・)
とり返しもつかず、泣くばかりだった。
 
 
・・・・・・・
 
 
・やがて夜は明けてゆく。
右近は(お立ちだわ!)と何心もなくお二人の側へ行った。
 
宮はもうお顔を隠したりなさらない。
右近は驚愕する。
 
薫だとばかり思い込んで浮舟のもとへ案内したのに宮でいらしたのか。
右近は今更のように自責に身をもむ。
 
しかし、利発な右近はこの場を収拾するするのは自分しかいないと思った。
騒いだところでなんとしよう?
 
とりあえずは宮を人目につかずお帰ししたかった。
右近は必死に宮に訴える。
 
しかし、宮は聞く耳を持たれず京へ帰ろうとはなさらない。
 
今日は、浮舟を石山寺へ詣でさせようとして、
母君が京から迎えの車を差し向けることになっていた。
 
しかし、右近は女房たちに薫が急に来たことで、
出かけられなくなったと言っておいた。
 
 
・・・・・・・
 
 
・日が高くなり、右近一人がお側近くでお世話をしていた。
右近は簾を下ろして「物忌」と書かせた紙を貼らせた。
 
京からはるばる迎えにやってくる母君にも逢わせないつもりであった。
 
浮舟は昨夜から気持ちが変っていくのを感じている。
いつしか心もあけぼの色に染まっていった。
 
昨夜は気も転倒したけれど、宮の情熱に引きずられて、
宮に傾斜していく自分に気づいている。
 
浮舟の心は乱れる・・
 
薫の物静かな貴公子ぶりに慣れていたのに。
それにしてもなんと不思議な身の上であろう。
 
二人の男性に愛される身になろうとは、
薫の君も中の君もどう思われるであろう?
 
どうして異母姉・中の君に打ち明けられよう。
浮舟は口をつぐんだままだった。
 
宮はそうした浮舟の心の内をご存知ないので、
素性を明かすようにしつこく言われるが・・
 
 
・・・・・・・
 
 
・右近は宮の御前に参上して京からの口上を伝える。
 
宮は(京ではどんなに騒いでいるだろう?)
と思われながらもはや今日で三日目であった。
 
何が何でも今日はお帰りになろうとなさるが、
浮舟の側を離れられないでいられた。
 
夜の明けぬうちにと、お供の者は促し参らせる。
風音も荒々しい。
 
霜深い夜明け、お供の人々はひたすら宮を急がせ参らせて出る。
(そういえば、昔、中の君を思って通ったこの道、宇治の山路はわが恋路)
 
と宮はお思いになる。
 
 
 
 
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・浮舟の母君は今は地方官の夫と再婚しているのですが、
その昔、光源氏の異母弟にあたられる、八の宮という方がおられた。
 
八の宮は東宮の地位をめぐる政争に巻き込まれて負けて、
夫人と二人の娘と静かに暮らしておられた。
 
愛する夫人に先立たれ、無常感でいっぱいになった宮は
残された二人の娘の成長だけを楽しみに宇治の山荘にひきこもってしまわれた。
 
偶然、その話を聞いた薫は仏道修行を通じて宮と知りあうも、
そこには美しい姉妹がいた。
 
大君と中の君。
 
薫は大君に恋をし、ライバルで親友の匂宮に中の君を紹介する。
宮と中の君は急接近をし、宮は中の君を京の二條院へ迎える。
 
一方、薫が恋した姉の大君は妹の行く末、自分のことは二の次、
父亡きあと妹のことだけを考えて暮らそうとしている。
 
大君はいろいろと気をもむうち病がこうじて亡くなってしまう。
薫の落胆・・
 
そのころ、地方から上京してきた女が八の宮の娘といって二條院に知らせてきた。
彼女こそ、八の宮が夫人亡きあと交渉を持った人であり、
その後、娘が生まれたのだけど宮は認知してくれず、
地方官の夫と再婚して地方へ下っていた。
 
母親は浮舟を連れて、夫は前妻との間に出来た子を連れての再婚。
やがて二人の間にも子供ができて、浮舟の立場はこの家で微妙なものになる。
 
母君はそんな浮舟の将来を異母姉の中の君に托す。
これを知った薫は大君似の浮舟を独占すべく宇治の山荘へ囲うことに。
 
匂宮がこれを知って・・宇治を訪れるところです。
 
 
 
 
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